口で言うのは簡単だが、いったいどれほどの人が実際に困難と対峙したとき、前を向いて歩き出せるだろうか。
荻野由佳(23)は昨年、約6年間にわたって活動してきたアイドルグループ・NGT48を卒業した。
さらに今年5月には、所属していたホリプロを円満退所し、新たな門出を迎えている。
そんな彼女が歩んできた6年間のアイドル人生は、波乱に満ちたものだった。
どう振る舞えばいいのか
彼女がトップアイドルへの階段を駆け上がっていた2018年末、グループを揺るがす事件が起きる。
NGT48のメンバーのひとりが、暴行事件の被害者となってしまったのだ。
「私はメンバーのグループLINEで事件について知りました。当初、運営サイドから詳しい説明はなく、数か月たってから話し合いの場が設けられ、事実確認ができたような状況だったんです。でも『話し合いの内容は他言無用』とくぎを刺されていたので、私たちは何も言うことはできない。
なので当時は“どう振る舞えばいいのかわからなかった”というのが本音です。騒動以降にNGTに加入してくれた子たちには、いろいろな苦労を強いてしまったので、今も申し訳ない気持ちでいっぱいです」
混乱が続くなか、彼女たちは口を閉ざす以外に選択肢がなかったという。
その結果、世間ではさまざまな臆測が飛び交うように。
そして彼女は、事件とは無関係にもかかわらず、多くの人々から疑惑の目を向けられてしまう。
「確かに、NGTに注目が集まっている時期に、自分の不用意な言動がみなさんの臆測をかき立ててしまいました。それについては自分に落ち度があり、反省しています。ただ、私個人の考えで、被害を受けたメンバーに寄り添えなかったのは本当です。騒動を収めるために取り繕う、という選択もできましたが、私はそれを選びませんでした。今でもその気持ちは変わっていません」
しかし、荻野が選んだのは茨の道だった。
事件以降、批判のレベルを超えた誹謗中傷が、矢のように降り注いだという。
荻野は「何もできなかった当時を思い返すと、ただただ悔しい」と語る。
デビュー時から続く誹謗中傷の声
「デビューしたころから『ブス』など、容姿を批判する声はありましたが、私はビジュアル以外で勝負しよう、と割り切っていました。でも、SNS上で『死ね』というコメントが日常的に届くようになってからは、すべてが一変。相手の顔がまったく見えない匿名アカウントからの誹謗中傷が来るたびに、命の危険を感じました。
そうした誹謗中傷は、今も続いています。街中でも、以前は『おぎゆかちゃんだ! 応援してるよ』と言ってくれる方々がいましたが、騒動以降は『げ、おぎゆかじゃん』という声が実際に聞こえるようになって……。
いろいろなことが一気に起こりすぎて“人生をやめたい”と思ったことも一度や二度ではありません。今でも、身の潔白を証明する難しさと向き合っていますね」
活動を控えていた時期は憔悴し、食事も喉を通らない日々が続いた。当時を振り返ると、彼女の家族は「今、由佳が生きていて元気に活動しているのは奇跡だ」と話しているという。
私が話すことで救われる人がいれば
過酷な状況の中でも自分を貫き、グループでの活動を続けた荻野。その原動力はどこにあるのだろうか。
「まずひとつは、事件に関与していないという事実です。もちろん、そんな私を信じてくださるファンの方や支えてくれる両親、騒動後も一緒にいてくれる友達の存在も、間違いなく原動力になっています。そして何より、自分が目指す“アイドル”になるために費やした努力や時間に誇りを持っているので、折れずにいられたのかもしれません。
現在私は、インターネットと適度な距離を取りながら生活しています。でも今は、SNSが身近な時代なので、アイドルだけでなくさまざまな境遇の人がネットとの付き合い方に悩んでいると聞きます。私がお話しすることで“誹謗中傷を受ける側の声”が、ひとりでも多くの人に届くといいな、と思っています」
http://news.yahoo.co.jp/articles/25b9170805ceb593b77863f5812573a030126691
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Source: 地下帝国 – NGT48
Source: NGT48まとめ×2