カスタマーハラスメント（カスハラ）対策を企業に義務付ける労働施策総合推進法などの改正案を巡り、１６日の衆院厚生労働委員会で、立憲民主党の宗野創氏（神奈川１８区）と大塚小百合氏（神奈川２０区）が登壇した。　　　

　宗野氏は、アイドルの興行現場では特定のファンの迷惑行為に対して運営側による「出禁（出入り禁止）」の措置が慣習化していることを挙げ、改正法により「こうした行為は『事業主が講ずべき措置』に該当するのか」とただした。

　福岡資麿厚労相は「アイドルが仮に労働者に該当する場合にはそのアイドル等を雇用する事業主はカスハラから労働者を保護するために必要な措置を講ずる義務を負う」と答弁。宗野氏は、トラブルを抑える有効な対策として国が統一した基準によるガイドラインを示すよう求めた。

　介護現場の経験がある大塚氏は訪問介護中に利用者家族からの過度な要求やスタッフへの暴言など、利用者以外からのカスハラへの対策強化を訴えた。厚労相は「介護事業者のマニュアルを作成し家族に対しても介護サービスの範囲や方法に関する契約内容の理解を図っている。実効性ある対策となるように支援をしたい」などと答弁。大塚氏は「介護や医療のサービスは利用者やハラスメントを受けたからといってサービスをすぐに打ち切ることできない」とし、安心して働ける環境整備を求めた。

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