“失敗した人間が戻ってくることが許されない空気”は、最近の芸能界においても強いと思います。特にネットでは、何かしてしまった人に対して、直接被害に遭っていない人々も石を投げる風潮がありますよね。もちろん本人に至らない点があったのだとは思うんですけど。
でも私ももし一般の仕事をしていたとしたら、いわゆるゴシップを面白がっていたかもしれないなって。ネットに書き込むまではしなくても、友達との話題にはしていただろうし……。
ただ自分もその標的になったことがある人間としては、メディアに取り上げられている部分がすべてではないってことをみんながわかってくれたらな、と思います。メディアに出る立場なので見せ方や発言にいっそう気を付けていかなきゃと思いつつ、実際に見たものや触れたものを一番に信じるような世の中になってほしいです。
──劇中で吉澤たちが三上をネタにテレビ番組を作ろうとするシーンでは、ある一面を恣意的に切り取ろうとする描写も盛り込まれていましたね。
三上のような人を見たら、私も怖いと感じてしまうと思います。でも近くの人の目を通して見ると、三上にも優しい面があるとわかりました。世の中には、近付いてみないとわからないことがたくさんあるんだっていう大前提を考えさせられましたね。みんながそれに気付けば、もうちょっと優しい世界になるのかな。
だからこそ私は、エゴサーチして傷付くこともあるけど、「この人たちはネットニュースの一部とか、テレビに切り取られた印象だけを見て発言している」ってことを忘れないように心がけています。無責任な言葉に必要以上に傷付いてしまうのは精神的にもよくないので、身近にいる大切な人の声を、なるべくボリュームを上げて聞くようにしています。
──なるほど。
長澤まさみさん演じる吉澤のセリフにあった「レールの上を歩いている私たちも、ちっとも幸福なんて感じてないから、はみ出た人を許せない」っていう言葉は、まさにその通りだと感じました。
特にコロナ禍になってからは世の中がピリピリして、みんなの言葉もトゲトゲしてしまっているので、社会の幸福度が上がれば悪口の量も減るんじゃないかな。もっと明るい未来を描ける社会になって、みんなが自分の生活に満足できたら、傷付く人も減るだろうなと思います。
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Source: SKEまとめもん