https://news.yahoo.co.jp/articles/d74e1d117e6da1ad85ca755dca5660b3f45b22a0
中村 秋元さんは作詞家だけでなく、アイドルのプロデューサーとしても圧倒的な個性を発揮してこられました。どうやってスターになる子を見出されるんでしょうか。
秋元 昨年お亡くなりになったジャニー喜多川さんは、原石を発掘し、磨き上げる天才でしたが、僕にはそんなすごい能力はありません。
オーディションで、この子はスターになるとか正直、わからないです。
ただ、僕は常にリスナーや観客の目線で、こうなっていったら面白い、あるいはこうなっていくんじゃないかとか、そこから生まれるサクセスストーリーにワクワクします。
「秋元さんが真っ白な素材に色をつけるんですよね」とよく言われますけど、いやとんでもない。無色の人に色はつけられません。その人が赤ならば、その赤を一番きれいに見せる方法を考えるのが僕の仕事。
そういう意味で、100人いたら100通りのスターを作れると僕は思っています。だから時代や時流に合わせて料理するより、その人の持ち味をいかに引き出すかが大事だと思いますね
中村 お話を伺っていると、自分は自分でいいんだという晴れやかな気持ちになれますね。オーディションではどういう点を見ているんですか。
秋元 AKBや坂道シリーズのオーディションでも、僕は意見を言いません。たとえばルックス、歌唱力、ダンス力、トーク力を点数制にして総合点で判断すると、結果的に上位は平均点化して凡庸になってしまう。
かえって門外漢だったり、芸能界や音楽の世界に入ったばかりの新人の審査員がいたほうが、逸材を発見してくれます。
平均的に評価の高い候補者より、審査員一人だけのアンテナに引っかかったほうが化ける可能性が高いです。そういう子は万人受けしないけれど、ある一定の層に熱烈に、確実に刺さります。
中村 それは、たとえば――。
秋元 指原莉乃は、初めてブログを開設した際、1回目の記事に白いネギが道に落ちていたことを書いていました。そんなアイドル、ほかにいませんよね。
あと、彼女は「私は『ヘビーローテーション』っていう曲のMVで、2.5秒しか映らなかったんです」と泣きながら訴えてきたことがあった。2.5秒、ですよ(笑)。そういうのが非常に面白い。
ある人間が存在する時、他の人とどこが違うのかという《差異》が一番の魅力になるんです。
「前田敦子をなぜセンターにしたんですか」とよく聞かれますが、決して僕に見る目があったわけではありません。グループのほぼ全員が「センターで歌いたい」「人に注目されたい」とアピールするなか、彼女だけが「私は絶対嫌です。うしろのほうがいい」と。
それが彼女の《差異》、言い換えれば個性ですね。こんな引っ込み思案な子がセンターに立って、経験を積んで堂々たるアイドルになる。そのストーリーを僕は見てみたいと思いました。
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Source: 地下帝国-AKB48まとめ